こんにちは。
お菓子材料は高価ですし、保存方法を間違えると
使えなくなり、損失になります。
ぜひ、適切な保存方法で保存し、上手に使ってください。
今回は特にチョコレートを取り上げて、
お話していきますね。
私は、大阪でお菓子教室ひすなずたを主催しています。
無駄なく効率よく作ること=「引き算レシピ」で
本格フランスお菓子を作る教室です。
お仕事したい方向けのプロコースが人気です!
目次
チョコレートの保存方法
動画でもお話しています。
動画でご覧になりたい方はこちらから↓
①適切な温度 12-20℃で保存する
この温度で保存すると、風味も状態もよく保存できます。
しかし、なかなかできない時もありますよね。
このブログの内の最後の方に、
夏の保存について、しっかり書きますので
最後まで読んでくださいね。
②乾燥した冷暗所
チョコレートが弱いのが、「水」
チョコレートは油分でできているので、
水がまざると分離して
使えなくなります。
湿度が高いと、チョコレートの周りに水分がつくと
えらいことになります。(分離します)
チョコレートは、「水」が大敵です。
◆水のついたチョコレートを
湯せんで溶かした、分離した状態 ↓
③においの強いものの近くにおかない
チョコレートは風味・香りがとても大事な素材です。
匂いが移ると台無しです。
匂いが強いもの、例えば、にんにくと一緒の棚に入れるなどは
しないでくださいね。
常温で保存する場合でしたら、私はお菓子材料の棚があるので
そこに保存しています。
チョコレートを袋ごといれて保存できる
タッパーなどがあるといいですね。
④特にホワイト・ミルクチョコレートは要注意
ホワイトチョコレートと、ミルクチョコレートは
乳成分が入っているのが、
面倒をひきおこします。
ブラック(スイート)チョコレートよりも、
ホワイト・ミルクチョコレートは繊細なので
要注意です。
ホワイト・ミルクチョコレートは
温度変化に弱く、水分にも弱いです。
ですので、できるだけ、
◆12-20℃の乾燥した冷暗所で保管
がいいですが、難しい時(夏など)は
多めに購入せずに、
キッチリの量を購入して
使い切ることを心がけます。
⑤チョコレートは、高温・水分がNG
水分がダメなことは、前述しました。
実は、高温もダメです。
チョコレートを溶かすときに
私は湯せんで溶かします。
※湯せんの写真
この時に注意です!
沸騰した湯せんで、火をつけたまま
湯煎にボールを浮かべて溶かす
これはNG
ボールを湯せんに
浮かべっぱなしで
ほったらかす
もっとNG
手順を書きましたので参考にしてください。
【チョコレートの分離しにくい溶かし方】
①湯せんを作る
②沸騰したら火をきる
③チョコレートの入ったボールを湯せんに浮かべる
④すぐにヘラでまぜて、溶かす
⑤溶けたら、ボール底の水分がチョコレートに入らないように
きをつけて、湯せんからはずす(ボール底をふいてくださいね)
「すぐにヘラでまぜて溶かす」
これだと大丈夫!
「ボールを湯せんに浮かべっぱなし」がNGです!
⑥チョコが白っぽくコーティングされている正体は「カカオバター」
このように、チョコレート全体がうっすらと白くコーティングされている
状態を、「ファットブルーム」と呼びます
「ファット」の意味は「油」
チョコレートの中の油
=ココアバターが浮き出て固まった状態です
これは、25℃以上になった時に、
チョコレートは溶けかかります。
(チョコはいろんな型があり、25℃から溶ける型があります。
25℃では完全には溶けません。)
そして、冷やされて固まるとこのような状態になります。
ファットブルームは、風味がおちて、くちどけが悪いですが
食べても大丈夫です。
⑦水玉のような斑点の正体は、「砂糖」
これをシュガーブルームと呼びます。
シュガーなので「砂糖」です。
この原因は「水」
チョコレートに水がつき、乾いた状態です。
よくあるのは、冷蔵庫にいれたり出したりして、
チョコレートの表面が結露して、砂糖が浮き出て
冷えて固まります。
シュガーブルームは、ファットブルームよりも状態が悪い。
モソモソの食感となり、
カビとは違い食べても体には悪くないですが
食感が最悪です。
予防策として、
1)できるだけ冷蔵庫にいれない
2)入れる場合は、小分けにして
一度冷蔵庫から出したら戻さない
3)温度が高い野菜室にいれる
⑧夏のチョコレートの保存方法
近年の夏は、ほんとに暑い!
チョコレートだけでなく、人間も溶けそうなくらいです。
チョコレートは基本28℃から溶けます。
しかし、25℃から状態が悪くなってきます。
1)野菜室に入れる
室温が25℃を越える頃から、
冷蔵庫の野菜室にチョコレートを入れてください。
2)空気を抜いて袋にいれる
その時は、できるだけ空気を抜いて
買った袋かジプロックに入れます。
大量にある場合は、
使いそうな量にわけておく方が使いやすい。
3)出す時は室温に戻してから開封する!
ここを間違えると、分離します!
こんな風になります。
この写真は、冷蔵庫からチョコレートを出して
すぐに開封して、溶かしました。
室温が高く、チョコレートが結露して水がついた状態で
溶かすとこのようになります。
要注意!
解凍は、室温に袋ごとだして、
チョコレートが室温になるまで
置くことが大事です。
ここを気を付けていただけると
チョコレートを夏越えさせることができます♪
⑨長期保存したければ、冷凍する
冷凍するということもできます。
ただし、注意点が2つあります。
1)風味や香りが多少おちる
2)解凍するときが要注意
冷凍すると、野菜室にい入れているよりも冷えているので
解凍時間がかかります。
まず、野菜室にいれて、1日おきます。
その後、室温にだして、室温になるまで待ちます。
使用できるようになるまで、時間がかかると考えておいてください。
【私の失敗例:大きな塊で冷凍してしまった!】
レモンチョコレートを5kgの1枚の板で買っています。
チョコレートもなんでもですが、大きな塊である方が鮮度が保ちやすい。
なので、常温保存の時は、塊のまま保存しています。
夏前に使い切りたかったのですが、
約1kgほど残ってしまいました。
それを丸ごと、塊のままジプロックにいれて、
冷凍してしまいました。
冷凍していることをうっかり忘れていて
使いたい時に間に合わず、
えーい!と、冷凍からすぐに開封し、
必要な量だけ、包丁でけずりました。
そして、残りはすぐに封をして
再び冷凍庫へ!
急いでやったものの、室温と冷凍庫の温度差が
はげしく、結露しました!
ということは、
けずり落したものは、湯せんで溶かしても
ボソボソしてしまい、
結局使えない状態になりました。
反省点
◆使う時のことを考えて、小分けにしておけばよかった。
◆数ケ月後に使うと予想されるのだったら、
野菜室にいれておけばよかった。
というのが私の感想です。
◆いつ使うかわからない、
高級チョコレートなら冷凍庫へ
◆使うかも?と思ったら、
小分けにして野菜室へ
がおすすめです。
⑩【まとめ】
1)12-20℃の乾燥した冷暗所で保存
2)夏は、ジプロックに小分けにして野菜室へ
3)長期保存の場合は、ジプロックに小分けして冷凍庫へ
4)冷蔵・冷凍庫にいれた場合は、チョコレートが室温に戻るまでまつ
これをしないと、結露してボソボソになり、使用できない状態になります
チョコレートはとても高価で、美味しい材料です。
そして、人気の食材なので、お菓子制作を仕事にしている
方々にはかかせないものになっています。
ご家庭で作る時も同じですが、
きちんと保存すると、おいしい状態をキープすることができ、
お菓子が美味しく作れる。
捨てることもなく、食品ロスを防ぐこともできます。
声を大にして言いたい!
とても大事なことです。
きちんと保存することも、お菓子づくりの大事な要素です。
ぜひ、参考にして、おいしいお菓子を作ってください。